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The Enigma ゲーデル_不完全性定理

理性の限界を意味するゲーデルの不完全性定理を出来る限り簡単に説明する。
ヒルベルトの公理系は全て記号で表されるのでその全てに自然数(素数)を割り当てる。
例えば論理積∧は2、論理和∨は3、論理包含→は5、否定¬は7、・・・。そうすると公理、推論規則およびそれから導かれる論理式は一意的に自然数で表現できる。
例えば公理¬¬A→Aは、左から順に素数を割り当て更にその肩に記号の素数を乗せる形で(2^7)×(3^7)×(5^19)×(7^5)×(11^19)と書ける。ただし述語記号Aに19を割り当ててある。
逆に(2^7)×(3^7)×(5^19)×(7^5)×(11^19)から公理¬¬A→Aが一意に求まるように出来る。厳密にそれを保証するための議論は省略するが、1対1対応が完全に定義できる。
ヒルベルトの公理系は、変数をもつ論理式も定義されるので、自然数を変数にもつ全ての論理式を考える。つまり変数が1の全ての論理式、変数が2の全ての論理式、変数が3の全ての論理式、・・・と言う具合に。
そしてある方法(対角線論法)でこれらに順に番号を付けてゆく。n番目の論理式をRn(p)と表す。ここでPは自然数の変数。
さて、変数pを順序番号nに置き換えた論理式Rn(n)が証明可能なら、その否定¬(証明可能なRn(n))は証明不能である。このような変数nの集合Kを考えると、
¬(証明可能なRn(n)) ⇔ n∈K である。

命題)「mは集合Kの要素である」と主張する、論理式Rm(p)が存在する。

それでは、変数pを順序番号mに置き換えた論理式Rm(m)は、証明可能か証明不能か?

論理式Rm(m)が証明可能とすると、¬(証明可能なRm(m)) ⇔ m∈Kが導かれるから「mは集合Kの要素」である。
一方、命題)より、Rm(m))の否定は「mは集合Kの要素」の否定であるから、「mは集合Kの要素ではない」となり矛盾する。
論理式Rm(m)が証明不能とすると、命題)の「mは集合Kの要素である」は主張できない、つまり「mは集合Kの要素でない」。
一方その否定(¬Rm(m))は証明可能になるから、¬(¬Rm(m)) ⇔ m∈Kとなり、「mは集合Kの要素である」 から矛盾する。
以上により論理式Rm(m)は、証明可能か不能か決定できない。

<対角線論法>
変数が1の全ての論理式を順に並べる A(1),B(1),C(1),D(1),・・・
変数が2の全ての論理式を順に並べる A'(2),B'(2),C'(2),D'(2),・・・
変数が3の全ての論理式を順に並べる A''(3),B''(3),C''(3),D''(3),・・・
変数が4の全ての論理式を順に並べる A'''(4),B'''(4),C'''(4),D'''(4),・・・
・・・
・・・
変数が1の全ての論理式は幾つあるかわからないので、変数が2の附番は幾つから始めるか決定できない。
したがってこの方法では附番が不可能である。
しかし並べ方を、A(1),A'(2),B(1),A''(3),B'(2),C(1),A'''(4),B''(3),C'(2),D(1),・・・とすれば、この場合は附番が可能となる。
つまり対角線に沿って附番してゆく方法である。

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2013-05-16 : その他 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

The Enigma ブレッチェリーパーク_同性愛

アランは、ロンドンの北のオックスフォードとケンブリッジへの分岐点近くにあるブレッチェリーパーク内の政府機関GCCSの勤務となった。
通信技術者、物理学者、数学者その他大勢の一人である。そして以後ドイツの敗戦とその後に至るまで百数10頁にわたる暗号解読の詳細その他の記述は、さして興味がないので割愛する。
一言で言えば、GCCSでエニグマ解読の中心的存在だったが、ドイツ敗戦後はNPLの数学部門に移りチューリングマシンの実現化に励み、その後マンチェスター大学に移ったが最終的にケンブリッジに戻ったという経緯だ。
そして1954年6月、前触れもなく遺書も残さず自殺した。毒物に浸したリンゴを食べて。
実は1952年に自宅の盗難事件で警察の捜査を依頼したが、それが仇になりその頃にアランの家に出入りしていた青年との同性愛関係が明るみになってしまった。
裁判の結果、有罪となったが医学療法を受けるという条件で執行猶予になった。
イギリスの最高学府では慣習的に同性愛者は疎んぜられることのようだった。しかもアランは奇矯な振る舞いでも知られていた。
しかしそれにもめげず研究に没頭し成果を示し、真っ向からそのような環境に挑んできた。
ただ数年前から研究対象は徐々に変化し分子生物学、形態遺伝学とかの分野に傾倒していった。
したがって数学という本流からは離れてしまったようだ。だが本質的なテーマ以外のことに取り組む事は決してなかった。
すなわちゲーデルに端を発した論理の探求、それは結局、心、感性、理性、意思、行動といった何一つ解ってない作用、現象のすべて・・・そして行き着くところの生命という終局のテーマでもあった。自分自身が実験の対象でもあっただろう。
アランは精神分析家のグリーンバウム家族と仲良くなって自殺の数週前の日曜日に一家と行楽に出かけたが、海辺のアミューズメントにあったジプシー占いに入って30分も経ってから顔面蒼白で出てきて以後一言も発しなかった。そして数週して彼から電話が来たが一家は留守にしていた。その2日後に自殺した。

2013-05-12 : その他 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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